一見、理解のある上司に見えて、実は、部下がやる気を失くす上司3パターン
- 部下に自由に考えさせるだけの上司
- 部下に「思った通りにやってみなさい。」というだけの上司
- 失敗したときも「気にしなくていいよ。」しか言わない上司
部下に自由に考えさせるだけの上司
自由に考えさせてくれることは、部下のやる気を引き出すことにつながる理解のある上司の対応です。
しかし、ここで気を付けなくてはならないのは、そこで出してきた部下のアイディアの扱い方です。
出てきたアイディアは、どれも現実的ではなく使い物にならないかも知れません。
理解のある上司は、部下が自分で考えることに価値を見ています。
限られた時間でいろいろと考えたこと自体を先ず評価します。
これに対して、最悪の上司は、部下の提案を全否定します。
さらにその理由となる、予算面、過去の経緯、社長の考えなどの条件が事前に部下に示されていなかったのであればなおさら部下のやる気は下がります。
部下は否定され続けると、自分で考えることを止め、答えを求めるようになります。
こうして、やる気のない部下、自分の意見を言わない部下が育ちます。
部下に「思った通りにやってみなさい。」というだけの上司
部下の思った通り自由に取り組ませてくれる上司は、一見理解があり、部下のやる気を引き出せそうです。
しかし、それは、部下が思った通りに取り組める環境があり、結果に対しては、上司が責任をとってくれる状況がある場合です。
最悪なのは、上司に全く考えや方針がなく、課題への対応を部下に丸投げしている場合です。
アイディアの実現方法も部下任せで、結局何もできず、挙句の果てには、結果の責任まで負わされるようでは、部下はやる気を失くしていきます。
失敗したときも「気にしなくていいよ。」しか言わない上司
失敗した部下にとって、「気にしなくていいよ。」という上司の一言はとてもありがたいものです。
その上司のためにがんばろうという気さえ湧いてきます。
しかし、何をしても「いいよ。」だけでは、部下の気の緩みにつながり、別の失敗が起きるかもしれません。
いつも失敗しないよう細心の注意を払っている別の部下にとっては、自分の努力は必要ないのかという思いになりかねません。
同様の失敗が繰り返されるようでは、部下の信頼は得られず、部下のやる気も下がります。
教職経験約30年の筆者が子どもたちに指導する際に考えていたこと
同じ指導をしていても、目的が明確でないとマイナスにもなる。
例えば、「子どもに自分で考えさせる」指導は大切です。
目的が自分で考える習慣をつけることであれば、教師がやってはいけないことは、その考えを否定することです。
これって、簡単なようで結構難しいことです。
教師は子どもたちを正しい方に導きたいという思いが強く、ついつい、答えを教えたくなります。
目的を明確に持っている教師は、子どもが考えたアイディアの質を評価することはもちろん、量を評価し、誰も思いつかなかったユニークな発想を評価します。
こうした指導を通し、アイディアを出すことの大切さ、どんなアイディアでもます考えることの大切さを教えます。
逆に、子どもの考えに対して、すぐ正しいかどうかのジャッジをすれば、子どもたちは暗に正しい答えを言わなくてはいけないということを学んでしまいます。
すると、自信のあること以外は答えなくなります。
部下のやる気を引き出す上司の対応
部下のやる気を引き出すためには、これらの逆の対応が必要です。
- 部下にアイディアを出させたときは、いきなり否定しない
- 部下に自由に取り組ませるなら、環境をつくりと責任を取るのは上司の仕事
- 失敗をからの学びを共有し、次に活かす。
部下にアイディアを出させたときは、いきなり否定しない
まず、アイディアを出したことを評価しよう。
その上で内容について客観的に議論することが大切です。
部下が、「アイディアを出してよかった。」「次はもっとよいアイディアを出そう。」と思うことよう心掛けましょう。
部下に自由に取り組ませるなら、環境をつくりと責任を取るのは上司の仕事
部下に任せるなら、まずは大まかな方向性を示し、その部下が取り組みを進められる環境をつくることが大切です。
例えば、職場に「〇〇の改革を最優先に取り組む。」「部下の△△が中心となって進める。」と部下が動きやすい環境をつくることです。 もちろん、最終決定は自分が判断し、結果の責任は自分にあることを部下に示すことが大切です。
失敗をからの学びを共有し、次に活かす。
失敗した個人を責めないことはもちろんですが、何故失敗したのか、原因を分析し、そこからの学びをチーム内で共有することも大切です。
再発防止に向けてきちんと対応することが、部下の信頼につながります。
まとめ
人をやる気にさせるのは簡単なことではありません。
しかし、活躍できる場を与え、その成果が評価されることは、やる気を出す最低条件ではないでしょうか。
自分ならどういうときにやる気が出るかを考えて、人に接することです。
結論としては、人をやる気にさせるのではなく、人のやる気を引き出すことが大切なのです。私も、そういうリーダーを目指します。